恵と乙香は代々続く祓魔師(悪魔払い)の家系で、表向き学生として暮らしながら、人に仇為す妖たちを退治する事を生業としている。
その日の朝も、前日の晩に街で妖怪騒動があり、上ノ水流(かみのみづる)学園へと通う道すがら恵は大きなあくびをする。
「たるんでるわよ恵、しゃんとしなさい!」
「……で、でも」
「でも、何!?」
「……ごめんなさい」
こんなやり取りをしながら歩いていると、周りにいる登校途中の生徒達からひそひそ話が上がる。
あのお姉さん、また弟がいじめられてるぜ、とか、
弟君てお姉さんの下僕よね可愛いのになどといった会話だ。
今日はまだマシな方のなのだが、乙香の目立たずにはおれない美貌がどうしても周囲の目を集めてしまうのだ。
やがて学校に着いて姉と別れると恵の周りに級友たちが群がってくる。
「今日のお姉さまも美しい~」
「東雲の姉ちゃんてさ、ほんとにすげえ美人なのにな」
「そうだよ。あれで優しかったりすりゃ……
俺の中で3日に1度から毎日のオナペットアイドルに……!」
「……しなくていいから」
放課後になって。
元々料理部だったのを姉に強制的にやめさせられ、無理矢理入らされたオカルト研究部の部室から恵は帰ろうとした。
姉は先に部室を出てどこかで恵を待っているはずだ。
「急がないと怒られる~」
恵は夕闇迫る廊下を急ごうとすると――
「しののめけい みーけっ!」
そうして淫魔インクに声をかけられたのが、そもそもの始まりだった。
恵はインクに魂を人質に取られ、遅いからと様子を見に来た乙香と、エッチをするハメになってしまったのだ。インクの腹を満たすために……。
「インクは、取り憑いた相手からではなく、取り憑いた相手と異性をセックスさせて、
その異性から吸精するという淫魔の変種みたいなものかな……?」
「失礼ね! 流儀が違うって言ってもらえる!?」
ともかくも、インクに取り憑かれた者は淫乱化してしまい欲望を我慢すると死んでしまうという。
「……性質の悪い病原菌みたいな奴ね」
「ムっ!!! 恵! 乙香に中出しよ♪」
「なっ!? それだけはダメよ恵!!」
「はぁはぁっ、お姉ちゃんに……中出しっ! うぅぅぅっ!!」
「中はダメ! 中出しダメぇえええっ!!」
淫乱になってしまった恵は、欲望のままに、姉の膣に大量の射精してしまう。
「これからしばらく、乙香から精気をいただくからよろしく~♪」
二人にエッチを強制した本人が、呑気にそう言った。
「これからしばらくということは……」
恵の淫乱衝動が起こるたびに、半ば強制的にセックスをしないといけない姉弟。
動揺する恵の隣で高笑いのインク。
さらにその隣で怒りに震える乙香は、拳を力の限り握り締めるのだった。
「……絶対祓ってやる」
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